多摩サービス補助施設『春の散策』

エッセイ
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施設ゲート前の看板

稲城には踏み込んではいけない場所がある

ここに住むようになり
アチコチあるき回ったとき、
踏み込めない場所がけっこうあった。

そこには結界なんて
イイ感じのものはないが、
フェンスと掲示板はある。

多摩サービスアネックス。

そこはかつて
旧日本軍が火薬製造所
としていたが、
紆余曲折あり
現在は豊かな自然環境を活かした
米軍の保養所のような所。

ここはコロナの前は
毎年市民が気楽に立ち入れる
イベントがあったらしい。

今回は抽選で
少人数が施設内の
自然と廃墟を巡ることができる
ツアーが稲城市主催で
行われるとのことで
参加してきました。

旧軍事施設には、
忘れ去られた埋蔵金だとか
放棄された超兵器とか、
あるんじゃないのか?

そんなヨコシマな期待もしつつ、
踏み込んではいけない場所へ
踏み込んできたというお話。

しかし、
施設内の写真などは
個人で楽しむのはともかく、
SNSなどに投稿不可
ということなので、
そういう写真などは
ご期待に添えません、
あしからず。

お預かりしているものは大切に扱うという姿勢

横田基地環境事務所の活動の一環として、埋蔵文化財および自然資源調査並びに保護活動も行っています。埋蔵文化財の調査は1997年に実施され、もっとも古いもので縄文時代前期の土器を確認しています。また自然資源の調査は1999年から生物多様性調査が実施され、鳥類61種、哺乳類13種、昆虫1027種、両生類11種、魚頬2種、そして植物は803種類が確認されています。そのうち国指定の絶滅危惧種は11種、都指定のものは71種を数えます。

多摩サービス補助施設『春の散策』配布資料・第374施設中隊環境事務所 作成

これは当日配布された
資料から抜き出しました、
これは大丈夫でしょう、きっと。

こんな具合に米軍は、
保養所として土地活用すると同時に、
自然環境や文化財の保護も
しているのだそうです。

ちなみにそのための予算は
キチンと米国からでている
とのこと。

今回散策した場所は、
時の流れを止めて
自然なままの環境が残されている
ロスト・ワールド、
というわけです。

やはりモロモロ期待してしまう。

まるでブラタモリのようなツアー

水先案内人は
この施設の管理に
長年にわたり携わり
今年引退なさるという方。

動植物の生態や
廃墟となった建造物の構造に
とても詳しい方に
案内をしていただき
わたし達は幸運でした。

が、すべてを覚えては
いられなかったので、
印象深いところだけ
ご紹介できたらと思います。

ツアー開始してすぐ、
小さな池へ。

これは湧水。

年に一度、
池の水をすべて抜いて
流れ込んできた泥を
さらうとのこと。

そのの際には、
どんな生物がいるのか
の調査も行われるそうです。

稲城の森の中に
湧水があるなんて
思いもしなかった。

さてツアー前半は登り坂。

常緑広葉樹林

道の左右には木々。

落葉広葉樹林から
常緑広葉樹林へ
シフトしている最中とのこと。

常緑広葉樹は
他の生物への恩恵が少ないらしい、
そうすると豊かだった
生物の多様性が貧しくなるようだ。

森にも老化があるということなのかしら。

途中にはかつての
火薬や弾薬の保管倉庫が。

規格が統一されていないので、
それぞれ多少デザインが違う。

屋根のカタチ、
室内の張りなど、
統一感があるとしたら
周りの盛土。

万が一保管倉庫が
爆発しても被害を
最小限に抑えるために、
ほとんどの倉庫周囲に
盛土がめぐらされている。

ということは、
そもそも当時のこの辺は
何かあっても被害が
少なく済むような
人里離れた場所だったんでしょうね。

そうこうしていると、
坂道を恰幅のいい
軍服姿の外国人が
お供を連れてあがって来られた。

なんと誰かと思えば、
なんと横田基地司令官殿。

このツアーにわざわざ
顔出しをしてくださるのは
異例なことらしい、
引退なさる水先案内人さんへの
義理立てだろうか。

スラスラと過不足なくスピーチ、
コレがカッコよかった。

しばらく同行なさって、
途中でいなくなったものの、
ツアー終了時には合流して
シメのスピーチ。

いやー得した気分。

ツアー後半は下り坂。

キツツキは毎年巣を変えるけど
オオタカは毎年同じ巣を使うらしい。

ところどころ
バンガローみたいな建物が、
現在の保養施設のひとつ。

軍のフツーの利用者は
SAMURAIと呼ばれるバンガローを使い、
エラい利用者は
SHOGUNと呼ばれるバンガローを使う、
SHOGUNの方はツアーコースよりも
もっと森の奥にあるという。

ゴール間際、
旧日本軍施設全体へ
エネルギーであるスチームを
供給していたボイラー設備を見る。

このような設備がほとんど
原型を留めていることは
今の日本では珍しく、
研究材料として貴重
であるとのことでした。

まとめ

  • 多摩サービスアネックス内は時空も隔離された場所
  • 利用しながら保護もしている米軍
  • 日帰りアメリカ探検

そんなこんなで、
多摩サービス補助施設『春の散策』
ざっくりご案内しました。

放棄された超兵器は
さすがにわたしのやうな
シロウトには痕跡すら
見つけられませんでした、残念。

しかし、
忘れ去られた埋蔵金の方は、
ツアー途中で水先案内人が
おもむろに取り出した一冊の小説に
手掛かりはあるやも知れません。

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小説内でのこの森の描写は
リアリティがあって素晴らしい、
と水先案内人の方は褒めちぎってました。

わたしは買ったもののまだ読んでません。

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ちなみに、映画化もされたそうです。

現場写真が一つもなく、
文字ばかりのブログに
最後までお付き合いくださり、
心から感謝いたします。


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