
流注るちゅうーメインルート案内
足の太陰脾経の脈は、大指(拇趾)の端(隠白)に起こり、指の内側の白肉際(太都)を循り、核骨(第一中足骨)の後(太白・公孫)を歴て内顆の前廉(商丘)に上り、腨内(三陰交)に上り、脛骨の後ろ(漏谷・地機・陰陵泉)を上り2寸のところで厥陰の前(内顆上八寸で肝経前方)に交わり出て、膝股の内前廉(血海・箕門)を循り、衝門より腹に入り、府舎を経て上行(任脈:中極・関元に会し、腹哀・大横からまた任脈:下脘に会す)本経の裏を下り、任脈:中脘・下脘に至り、脾に属し、胃を絡う。
腹哀から膈に上り(胆経:日月と肝経:期門を経て)食賓・天谿・胸郷・周栄を上り、外に曲折して下り大包に至る。
また大包より外に曲折し上に向かい、肺経:中府に会し上行して、人迎の裏で咽を挟み、舌本に連なり、舌下に散ず。
その支は、また胃部(腹哀から任脈:中脘)より別れて膈に上り、心中(膻中)に注ぐ(手の少陰心経に続く)。
穴歌けつかー簡易版ルート案内
二十一穴 太陰脾、隠白 太都 太白 随う、公孫 商丘 三陰交、漏谷 地機 陰陵 幼し、血海 箕門 衝門 開く、府舎 腹結 大横 排す、腹哀 食賓 天谿 に造り、胸郷 周栄 大包 随う。
別絡べつらくー乗り継ぎルート案内
①公孫から足の太陰脾経→腸胃へ
②公孫から足の陽明胃経へ
※病症…実:腸が切られるように痛む/虚:腹が鼓のように張る
*邪気を受けて冷えの気が逆上し吐いたり下したるする
経別けいべつーサブルート案内
- 足の太陰の正は上って髀に至り、陽明に合して別(本経の枝)とともに行き、上って咽に結し、舌本を貫く。
経筋けいきんー筋肉専用ルート案内
足の太陰の筋は大指(拇趾)の端の内側に起こり、上って内顆を結す。
その直なるものは膝の内輔骨をまとい、よって陰股を行り髀に結して陰器にあつまり、腹によって臍に結し、腹裏を循っ肋に結し胸中に散ず、その内なるものは脊に着く。
※病候…第一趾が内顆を引っ張って痛む・転筋痛/膝内輔骨が痛む/陰股が髀を引いて痛む/陰器が引かれて痛む/下では臍を引いて両脇が痛む/膺(胸)中を引き脊内が痛む
主治しゅちー有効な症状
- 現代医学的には消化器疾患(便秘・下痢・食欲更進、不振)/舌・胸・膝・第一趾の症状
- 東洋医学的には
- 是動病(≒軽症)⇒舌根部のこわばり/食べると嘔吐/胃痛/腹張/よくオクビ(あくび)が出る/排便後や放屁後は一時的に良くなったように思えるが全身に倦怠感
- 所生病(≒重症)⇒舌根部の痛み/体を動かすことができない/食物が下がらなくなる/胸苦しさ・心窩部の痛み/下痢・黄疸/前胸部・心窩部・腋窩の圧迫感/横になることができない/股関節や膝内側が腫れて冷える/第一趾麻痺
ケアのやり方
- 右関上の浮→過飲食による脾虚胃実
- 左寸口の虚→精神的な疲労
- 弦・やや数(肝炎・腎炎などの炎症性疾患/風邪のこじれた時)→内臓の熱
- 弦・力ありor 力なし→脾虚+胃気少 ⇒労宮・大陵・内関・太白・大都・公孫の補… 必要に応じ陽経の瀉
備考
- 他経との交流:気血生成の元締めなので交流は多い
- 腹診時の重要な経絡…任脈・胃経とともに婦人科疾患の診断+治療点:三陰交・血海…オ血(肝実)or血虚(肝虚)の判別→任脈:関元・中極との関係
- 消化器疾患に多用:公孫・商丘・三陰交…反応があるときは必ず肝兪・胃兪・三焦兪にも反応アリ
- 妊婦への施灸:三陰交…三ヶ月を過ぎてから=安産の灸⇔逆子・難産=膀胱経:至陰
- 下肢は反応が出やすい…陥下していると治るのが遅い
- 経筋
- 陰器に行っている(胃経同様に)→脊にもついている(肝兪の内側?)内輔骨(膝関節内側)では肝経より膝蓋骨に近い
- 臍に結している…脾虚で腹痛⇒臍に塩を盛り施灸
- 脾は陰中の至陰で血を統べる
- 脾虚=出血 症状(吐血・痔出血・血尿など)
- 寒気が虚= 熱症状(悪寒ナシ)
- 脾の陰虚=腎や肝に精血不足がおこる
- 他:盗汗・動悸・健忘・不 眠・月経不純・疲労などもある/原因:出産・房事・労働
コメント