臓腑は体内にあるだけでは何の役にも立ちません。
体の隅々にまで影響を与えて初めて体を動かせ、それによって臓腑も生きることができます。
臓腑の働きを心身に伝えること、逆に心身の状態を臓腑に伝えること、これらは経絡の仕事です。
十二ある臓腑にはそれぞれ深く関わる経絡があります。
- 手の太陰肺経
- 手の陽明大腸経
- 足の陽明胃経
- 足の太陰脾経
- 手の少陰心経
- 手の太陽小腸経
- 足の太陽膀胱経
- 足の少陰腎経
- 手の厥陰心包経
- 手の少陽三焦経
- 足の少陽胆経
- 足の厥陰肝経
以上が正経十二経脈、本経とも呼ばれます。
一般的に経絡と言う時はこの十二経脈と、正中線を循環する任脈と督脈という奇経を指します。
名前を見れば深く関わる臓腑と、影響が表れやすい体の範囲、そしてそこからおよそのルートが想像できるようになってます。
例えば手の太陰肺経なら、大雑把には体内の肺から体表の手へ、という感じです。
さらに、十二経脈はこの並び順でひとつに繋がり体を巡り還ります。
例えば手の太陰肺経から手の陽明大腸経へ繋がる場合、
肺から手ヘ巡り、手で肺経から大腸経へ繋がり、手から大腸へ巡る、という感じです。
渋谷から東横線に乗って地上に出て、

中目黒で日比谷線に乗り換えてまた地下へ戻る、

こんなイメージでしょうか。
こんな風に乗り継ぎ乗り継ぎで、体内と体表を縫うように巡り、大きく長い環状線となっているのが、十二経脈なのです。

コメント