田辺温熱保養所さんへ(完)

エッセイ
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さて最後のローテーションへ。

シャワー樽イスのローテーションを三回、それを3セット、つまり樽に入るのは九回。

完成を表す十の手前で九は最大の数という。
また鍼灸の補法は奇数の刺激が良いとされる。

さっきまでの疲労感が無くなってきた。
代わりにどこからともなく活力が湧いてくる。
肺から脾へと染みた薬効がとうとう腎まで届いたか。

まだまだいけそうだけど、お作法に従って終了。

休憩室へ戻って時計を見ると15時過ぎ。
ここへ着いたのが13時頃、黙々と2時間もの薬草蒸し。
時間が許せば他のメニューも試したかった。

妻からLINE。
もう待ち合いスペースにいるという。

これは驚き。
妻と温泉やサウナに行くと、いつもわたしが待たされた、小さな石鹸はないけど。

着替えをして荷物を整理していると奥様がおみえになった。

どうやってココまで来たのか、とお尋ねに。

バスで総合体育館まで来て歩いた、と告げたらビックリされた。
奥様のオススメルートは万石経由、とのこと。

帰りはどうするのかと尋ねられたので、歩いて東大垣駅ヘと答える。

やはりビックリされた奥様、
「私の感覚ではムリ、体が冷えてしまう」
とおっしゃって、車で大垣駅まで送ってくださると申し出てくださった。

え!?

耳を疑った。新参者の旅行者にそこまでするのか。

恐縮しつつも妻と相談して結局お言葉に甘えさせていただきました。

わたしがモタモタしているうちに妻はグッズをゲットしてました。

玄関まで奥様がお見送り。
とごぞの良い旅館を離れる気分。

また来よう。

玄関あけたら白の車が横付けに。
運転手はご主人。
これもビックリ。
オマケに記念撮影のカメラマンまでしてくださった。
風に偏った暖簾を直してくれたりもして。

車は一路大垣駅へ。

車の中ではいろいろ貴重なお話をきかせていただきました。
毎日のお仕事のこと。
これからのこと。
大垣のこと。
ただ守っているだけ
運転しながらそうおっしゃったご主人に上手い相槌できなかった。

とにかくまた来よう。

体には虚していた生命エネルギーを存分に補い、
心にはおもてなしのあたたかさが充分に満たされ
忘れられない時間を過ごせました。

ありがとうございます。

おしまい


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