扉から入る光があるから真っ暗は言い過ぎだけど、闇に慣れるまでは何も見えない。
その闇の中には伊吹山のヨモギをメインにブレンドした薬草の薫りが充満。
鼻から肺いっぱいに薫りを吸い込む。
樽の中の温度が上がってきた。
ミストサウナに近い感じ、じわじわ薬草蒸しになっていく。
腰幅に脚を開き、膝を軽く曲げ、両手を丹田に添え、肺いっぱいの蒸気を一度吐ききる。
そして鼻からゆっくり薫りを味わうように蒸気を吸い込む。
肺から気が巡り、蒸気に染みている薬効が全身に。
熱さが心地良さを越えてきたところで外へ。
狭い入口を抜け、薬草蒸しの宇宙から帰還。
扉を半開きにしたまま、浴室の隅の方にあるイスに腰掛ける。

汗がたらたら流れる。
ご主人のお話によると、樽の中で7〜8分、そのあと外で体の熱を冷ます、このときシャワーや水をかけたりせず汗をかいたままにする、熱が冷めたらまた樽へ、水分補給をしながらこれを三回くらい繰り返す、繰り返したら部屋着に着替えて休憩室で過ごす、これを1セットとして3セットを目安にしたら3時間くらいあっという間、ということでした。
では体が冷めてきたところでまた樽の中へ。
このローテーションを三回。
一度着替えて休憩室へ。
お茶飲むの忘れてた。
湯呑みへ注ぐ。
色は濃い茶色。
味は苦味がなく飲みやすい。
駆けつけ三杯。
普通の温泉ならひと眠りするところ、でもなんだか眠くならない。
更にシャワー、樽、イスのローテーションを三回。
気がつくと一度目とは違った反応。
皮膚に霜降り肉のような赤みが浮き出でいる。
また着替えて休憩室へ。
今度は横になってみる。
天井を見上げ、毛布となんともいえない感覚に包まれる。
心地良い疲労感と達成感と安心感。
妻に連れられて初めてヨガスタジオへいったときのシャバーサナの感じにそっくり。
しばらく生き還った感を味わう。
そして休憩室を出て浴室へ戻る
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