
五行戦隊インヨージャー は 五大元素である 木・火・土・金・水の化身として、 太極山に住む伝説の タオ老師に選ばれた5人組、 人と宇宙との調和を保つため 日夜内憂外患を退け続けているのだ!
なんぢゃ、ため息ついて。
老師、実はこんなことがありました。
ふむ。
私たちの対応が遅れて
ある方を怒らせてしまいました。
さよか。
その時は黒水さんが
なんとなくいなして
大事にならずに済みました。
その後は青木さんが、
対応が遅くなるケースでの
マニュアルを作って、
今後は問題起きないよう
前もって丁寧に説明する、
ということになりました。
一件落着ぢゃな。
そうですね…。
何か氣になるか…
うーん…
大事にはならなかったし、
今後このようなことは
起きにくくなった、
それはいいと思います。
ぢゃな。
でも、それはこのケースについて
だけのことではないでしょうか。
ふむ。
今回のやうに
場当たり的に物事を
片付けてしまわないで、
このようなことを
引き起した私たちの
問題点を考えてみたい、
そう思うんです。
なるほど。
おぬしはどんな問題が
あると思うんぢゃ。
私たちが抱えているであろう
問題について目をつぶらないで
もっとしっかり向き合う、
まずこれができてないこと
でしょうか。
おぉ…
私たちの問題点がみえてくると、
その方の怒りの
本当の理由もみえてくる
と思うのです。
それから対策をたてるのが、
今後の根本的なトラブル防止
になるだろうし、
これからのインヨージャーの
成長にも繋がると思います。
そうぢゃな。
でも、ムリでしょうね。
そう思うのか。
ものの見方は人それぞれですからねぇ。
今後そんな事態にならないように
もっと周りに気を配って
いい雰囲気づくりしておきます。
あのときはそれが出来なかった、
それが私の反省点ですから。
グチ聞いてもらったら
イイ気分転換になりました、
ありがとうございます。
わしは何もしとらんがのぉ…
白金よ、あんまりしょい込み過ぎんでな。
五行戦隊インヨージャー は 五大元素である 木・火・土・金・水の化身として、 太極山に住む伝説の タオ老師に選ばれた5人組、 人と宇宙との調和を保つため 日夜内憂外患を退け続けているのだ! キミの中でも。
ハサウェイは、ほかの市民たちと同じようにおびえてみせがら、車道に出て、パトカーを迂回するように、流れ出した車の列のなかに、一台のタクシーを見つけた。
「頼む!乗せてくれ」
運転手は、拒否の手をふったが、
「ハンターが、ここでつかまえろっていったんだよ。タクシー乗り場、パトカーに占領されているだろう?」
運転手は、パトカーの方の険悪な光景をのぞいてから、後部ドアを開けろと手で示してくれた。ハサウェイは、みやげものを入れたビニール・バッグを目立つようにして乗りこむと、タサダイ・ホテルの近くのビルの名前のひとつをつげた。
「この通りをぬけるのに、ちょっと時間かかりますよ?」
「割り増し、高いの?」
「そんなことないね」
バックミラーで、人物鑑定をやっていた運転手と目をあわせながら、ハサウェイは、普通の客がしゃべるようなことをいうように気をつけた。
「……ひどいでしょここの ハンター」
車が速度をだせて、一息つけるようになって、運転手はいった。
「目の前で銃撃戦をやられたのには、ビックリした。死者だってでたようだ」
「そんなのしょっちゅうですよ。なんでマフティーは、ハンターを叩かねぇんですかね?」
「本当だね。連中こそ、掃除しなければならない連中かな」
「そうですよ。おれ、学がないから、よく分らないけど、地球連邦政府ってよ、かってに宇宙に人間を強制送還しておいて、それがいやだって人間を、つかまえているんでしょ?」
「そうだね……」
ハサウェイは、その乱暴な意見には、あいまいに答えながらも、目の前で集団暴行を公然と実行するハンターたちを、マフティーに討ってもらいたいと思う民意に、ひそかに安心していた。
ハサウェイたちマフティーも率先して武力をふるっているといわれれば、そうであるからだし、大義があれば、時には、武力行使も正義である、と思いたいのは、武力をふるう者の心情でもある。
「……マフティーって、学がありすぎんですよ。かっこうつけて、偉い奴等やっつけてるのはいいんだけど、マフティーだって、最後はみんなで宇宙に出ようって、いってんでしょ?あれわからねえんだよな。ダバオ、別に環境汚染されてねえでしょ?」
「でも、緑は少なくなったって、魚だってとれないだろう」
「けど、島のみんなぐらい、食っていけますよ」
「ハハハ……そうだねえ。でも、マフティーは、千年先の地球のことをいっているようだけど、それでは、駄目なのかな?」
「ケへへヘッ……暇なんだね?その人さ?暮しって、そんな先、考えている暇はないやね」
「暇……?」
その日常的な言葉は、ハサウェイには、衝撃的といえるものだった。たしかに暮しがキュウキュウしていれば、明日のことを考えるのが精一杯というのが庶民であろう。
それを教義や主義を達成するために、と考えた時から、人は、狭視的になる事実は、認めないではない。
「でしょうが?なんとか地球居住許可書を手に入れるんで、それ、偉い人につぎこむ金のと考えたら、とても、あさってのことなんか考えられないねえ」
「そりゃ、こっちもそうさ」
ハサウェイは、町並みがきれて、ココナツの並木が走りはじめた夕暮の空をぼんやりと見つめながら、同意した。
運転手やギギのいう通りなのだ。
真実、力があるのなら、こういうやり方のすべてを今すぐに阻止したいという怒りにかられる。
富野由悠季 著『閃光のハサウェイ』より
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