
銀河英雄伝説から『ヤン・ウェンリー』
二つの星間国家の戦争を
舞台に描かれる人間ドラマが
銀河英雄伝説。
一方の国家で物語を牽引するのは、
過日ご紹介した
『ミューゼル・フォン・ラインハルト』
もう一方の国家で
物語を牽引するのが、
今回ご紹介する、『ヤン・ウェンリー』
彼は貿易商だった父を亡くし
志していた歴史家への夢
をかなえるため、
お金をかけず歴史を学べる
学校を探した。
戦時中ということもあり、
文化面への行政からの助成は
ほとんど無く、
成り行きで軍の士官学校ヘ。
およそ軍人向きではなく
戦争も嫌いであるはずが、
歴史以外にも
戦略や戦術の成績がよく、
なんだかんだで士官となり
無事に退役して
年金生活をおくりたい
と願う変わり種。
エルファシルの英雄

可もなく不可もなし
な士官として赴任したのが、
辺境の惑星エルファシル。
ある時、敵との戦闘で
エルファシル司令官の
采配ミスから敵軍に
占領寸前まで追い込まれる。
司令官はエルファシル脱出を決断、
民間人の脱出計画の責任者に
ヤン・ウェンリーが抜擢される、
手が空いているという理由で。
彼は脱出用の宇宙船の手配や
搭乗の割り振りなど
必要な準備を済ませると
他には何もせず、
民間人のグチやクレーム
などの相手をしていた。
突如、司令官と
その取り巻きが脱出を開始。
民間人は見捨てられた
と慌てふためくが、
ヤンは涼しい顔で
彼等に脱出の時が来たことを告げる。
彼は、司令官を囮にして
敵軍の包囲網に生じたスキをつき、
彼の責任の範囲においては
一人の犠牲者も出さず
エルファシルからの
脱出を成功させ、
任務をまっとうした。
このことで彼は
不本意ながら一躍
スターダムにのし上がってしまい、
以後エルファシルの英雄
と呼ばれることになります。
動かざること…

人の心理や固定観念を
読み切ること、
それを利用して
現実に応用させること、
そして自らは動かず
状況を作り出すこと、
これは土エネルギーの
世界の真ん中ですべてを
繋ぎ留めるパワーのなせる技。
ヤンの欠点、
土タイプキャラらしい面は、
部屋の整理整頓が
できないことかと、
生来の面倒くさがりが
そうさせているのでしょう。
しかし、その面倒くさがり
が効率良く楽に勝つ戦術を
生み出す源泉でもあるのです、
彼の場合。
そんなこんなで、
土タイプキャラの
一人目をご紹介しました。
木タイプキャラのように
積極的に皆を率いる感じでなく、
火タイプキャラのように
カリスマ性があるでもない、
なんとなく人が動いていく
不思議系が持ち味、
それが土タイプキャラなのです。
その後のヤン・ウェンリーは
というと、
を率いて数々の戦場を渡り歩き
味方にとっては奇跡を
敵にとってはペテンをかまし、
不敗の名将とまで
言われるようになるのですが、
それはまた別の機会に。
では次回、
もう少しワルイ感じの
土タイプキャラをご紹介。
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